こんにちは。
前回の小麦の歴史や種類についての記事は、いかがでしたか?
今日は、小麦に含まれるタンパク質の種類と、その構造を解説したいと思います。これを読めば、もちもちパンやふっくらピザを食べたくなるかもしれません・・・もちもちやふっくらの理由を知ることで、更に食品に興味を持ってももらえれば嬉しいです。
お米の話でも、もちもちという言葉が出てきたにゃん。
お米のもちもちは、デンプンだったね。
小麦のもちもちの秘密は、タンパク質なんだにゃ~。
食品って本当に面白いにゃ。
では、ぜひご覧ください!
小麦の種類のおさらい
小麦の種類は、タンパク質含量によって3種類に分けられました。
タンパク質含量が8.0~8.9%のものを薄力粉、9.8~12.4%のものを強力粉、その中間のものを中力粉といいます。
薄力粉に精製される小麦は軟質小麦、中力粉に精製される小麦は中間質小麦、強力粉に精製される小麦は硬質小麦またはガラス質小麦と呼ばれます。
小麦粉に含まれるたんぱく質①グルテニン
もちもち感を生み出す、小麦に含まれるタンパク質は主に2種類あります。
1つ目は、グルテニンと呼ばれるタンパク質です。
弾力を持つタンパク質で、重合体というアミノ酸がたくさん集まったものです。
図を下に載せます。
小麦粉に含まれるたんぱく質②グリアジン
2つ目は、グリアジンです。
こちらは伸張性を持つ単量体です。
先ほどのグルテニンと違い、粘性、伸びる性質を持ち、粒のように存在しているタンパク質です。
下に図を載せます。
グルテンの構造
上記の2つのタンパク質は、力を加えることでそれぞれが絡まり合い、グルテンという物質を形成します。このグルテンの量が多いほど、もちもち感やふっくら感、いわゆる粘弾性が増します。パンの生地をこねていると、だんだん手にくっつかなくなり、よく伸びる生地へと変化します。これはグルテンの性質です。パンやピザにはこの粘弾性が必要ですが、ふっくらと仕上げたいケーキやお菓子、天ぷらには必要でないため、混ぜすぎないこと作るうえでコツとなります。ホットケーキも、混ぜすぎるとこのグルテンが形成されてしまうので、ふっくら仕上げたい場合は、混ぜすぎないようにしてください。
下に、グルテニンとグリアジンが絡まり、グルテンになる図を示します。
グルテニンの粘性、グリアジンの弾性が絡まることでグルテンの粘弾性が生まれます。
強力粉をこねた生地を水で洗い流すと、グルテンだけを残すことができます。これを加工すると麩ができます。手軽に実験できますので、気になる方はお試しください。
小麦の加工品
- カステラ、ケーキ、和菓子、天ぷら、ビスケットなど→薄力粉(グルテンを必要としない)
- うどん、中華麺など→中力粉(適度な粘弾性が必要)
- 食パン、フランスパン、菓子パン、パン粉など→(グルテンを多く必要とする)
- マカロニ、スパゲッティ→(ガラス質を多く含むデュラム・セモリナ粉を使用)
グルテンの性質を利用して様々な加工品が作られています。ふっくらとして仕上がりを求められる食品には薄力粉を、もっちりとした食感を求める食品には強力粉を使うことで特性を生かした加工がされています。
家庭で調理をする際にも、参考にしてもらえたらと思います。
天ぷらも、さっくり揚げたい場合は衣の生地を混ぜすぎないようにするのがおススメです。
まとめ
食物の特性を生かした料理をするって楽しいですね。
もっちりとしたパンがますます食べたくなりました。
早速、ホットケーキを焼いてみようかな。
力を加えることでグルテンが形成されるので、手作りパンを作る時はしっかりこねると美味しくできることが分かりますね。
また、さっくりクッキーを作りたい時は、生地をこねすぎないことがポイントです。スポンジケーキも、生地を混ぜすぎるとグルテンが形成され、膨らみにくくなりますので、さっくり混ぜることが大切です。
グルテンって2種類のタンパク質が絡まってできるにゃん。
もっちりパンを作るには、力が必要なんだね。
また、タンパク質の多さもグルテンの量に比例しているから、もっちりパンや麺を作りたいときには強力粉を使うといいにゃね。
食材の性質を知ることで、料理に適した材料を選ぶことができるにゃ。
口に入れる食品だからこそ、どんな構造をしているか知ることで、生活が豊かになるにゃね。
次回も楽しみにゃ!
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