炭水化物⑭~料理に欠かせない砂糖の調理性を紹介します~

FOOD
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まぁさん
まぁさん

こんにちは。
いよいよ栄養士が語る炭水化物シリーズも最終回となりました。
みゃぁさんには、語りすぎと言われましたが、私が発信した情報の中で、何か1つでもご覧いただいた皆さんの素敵な日常生活を送るためのヒントになればと思い、記事を書いてきました。
今後も、栄養士視点の食品に関する情報を中心に、たくさん発信したいと思いますでので、よろしくお願いします!

ゆずにゃん
ゆずにゃん

では!
今回の記事は、砂糖の調理性についてだにゃ。
砂糖はダイエットの敵!中毒性がある!
なんてよく言われているけれど、人間の食品加工を支える大切な役割を担っているにゃね。豊かな食環境を過ごすことができるのは、こうやって色々な食材の性質を上手に利用しているからにゃね。
動画でも、食産業の発展に寄与する砂糖の有用性をみゃぁさんが語っているので、ぜひご覧くださいにゃ。

まぁさん
まぁさん

前置きはこれくらいにして、
砂糖の調理性について解説をしたいと思います。

保水性

砂糖は、水を抱え込む性質があります。
親水性と呼ばれる性質で、水に溶けやすい物質の1つです。
そんな性質を利用して、様々な調理性を持ちます。

1つ目は、保水性です。
例えば、ビーフシチューを作る際、牛肉にあらかじめ砂糖を少し揉みこんでおきます。すると、砂糖が水をひきつけ、肉に含まれるコラーゲン(タンパク質)と水を結びつけるため、早く肉が柔らかくなります。時短料理をする際や、肉の下処理の方法の1つとしても使えますね。

また、きんとんなどを作る時、イモの裏ごしをするにはイモがパサパサだとやりにくいですよね。そんな時、まずイモをゆでる際に砂糖を加えることでイモの水分が逃げにくくなり、ゆであがった後も裏ごしがしやすくなります。

よく、下ごしらえには塩を使うイメージがありますが、砂糖もこのように保水性を利用することで下ごしらえに使えます。

デンプンの老化防止

2つ目は、デンプンの老化防止です。
例えば、カステラやケーキのスポンジ生地は、デンプンを含みますがかたくなりくいですね。この理由として、生地に砂糖を加えているからです。
デンプンの糊化・老化の記事でも紹介しましたが、生のデンプンに水と熱を加えることで糊化デンプンへと変化します。この糊化デンプンは柔らかい状態です。しかし、時間が経過して冷却してくると同時に、老化デンプンへと変化します。老化デンプンは、冷ご飯に代表されるようにかたい状態です。この老化デンプンへの変化を防止するのに、水を抱え込みやすい砂糖の性質が役に立ちます。

昔、お菓子作りをよくしていたのですが、甘すぎないお菓子を作りたくてレシピに載っている砂糖の分量を適当に減らして作ったことがあります。皆さんのご想像通り、見事に失敗した記憶があります。焼いた生地がボロボロになってしまったのです。当時の私は、お菓子のレシピってよく考えられているのだなと感心しました。それ以来、このように食品や料理、栄養素に興味を持ちました。砂糖不使用のお菓子などで、生地の柔らかさを維持しているのは、砂糖の代わりに別の添加物が入っているのだということが分かりますね。

ゼリー化の促進

3つ目です。果物ジャムを作る時に、砂糖を入れると思います。この砂糖の役割は、果物に含まれるペクチンとペクチンを網目のようにつなぎ、その網目の中に水分を抱え込むことでゼリー化を促進することです。果物をただ加熱するだけでは、あのジャムのトロミを出すのは難しいということです。

泡立ちの保持

4つ目は、メレンゲを作る時に、まずある程度泡立ててから砂糖を加えることで、卵白のタンパク質の水分を砂糖が抱え込み、泡立ちを保持することができます。更に泡立てることで、泡同士がくっつくのを防ぎ、きめ細かい泡を作ることができます。

タンパク質の凝固抑制

5つ目は、砂糖を加えることで、卵や牛乳に含まれるタンパク質と水分を結び付けてタンパク質の凝固温度を高める働きがあります。凝固温度が高くなると、柔らかく仕上げることができます。プリンを作る時に利用できる性質ですが、最近の流行りはかたい食感のようですので、次に柔らかいプリンブームが来たらお試しください!

逆に、塩を加えることで、凝固を促進する作用があります。

防腐効果

6つ目は、防腐効果です。砂糖を加えることで、食品の周りにある自由水という菌やカビが繁殖に使う水を抱え込み、腐ったりカビたりするしにくくなる効果があります。菌やカビをなくしたり、殺したりする効果ではありません。保存環境や保存時間によっては防腐効果が十分に出ないことも考えられますので、これから特に梅雨の季節は、ご注意ください。

パンの発酵促進効果

7つ目は、パン生地の発酵促進効果です。酵母(イースト菌)は、糖分をエサに炭酸ガスを発生し、パンの発酵に役立っています。パンの材料である小麦粉にも糖分は含まれていますが、砂糖を加えることで、より酵母のエサが増え、炭酸ガスを発生しやすい状態になります。砂糖を加えないパン生地もありますが、砂糖を加えたパン生地の方が、より空気を含みふわふわの食感が期待できるということです。

メイラード反応

最後は、メイラード反応という化学反応です。パンやクッキーを焼くと、独特の焼き色が付きます。あの色が付く反応をメイラード反応といいます。この反応の仕組みは、小麦粉や卵、牛乳に含まれるアミノ酸(タンパク質を構成する物質)が糖と反応することで色が付くということです。糖の種類によってはメイラード反応が起こらないこともあり、食材の性質や食品生産の目的に応じてこの反応を利用しています。

まとめ

まぁさん
まぁさん

砂糖の調理性は、こんなにたくさんあったんですね。
糖尿病、という言葉にもあるように、砂糖というとイメージが悪く、最近は倦厭されることが多くなっています。しかし、ここにも挙げたように甘味を付ける、エネルギー源となる、虫歯の原因の1つとなる、というマイナス面だけではなく、私たちの食を支える食品加工や調理技術に幅広く利用されています。
太る、というのは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが崩れることで起こります。薬の副作用や持病を抱える人、ホルモンのバランスがうまくとれない人など人それぞれの状況もあると思いますで、健康を自分自身を管理できる人にとっては正しい食の知識は特に大切です。炭水化物のシリーズは今回でいったん一区切りとさせていただきますが、今後もぜひ素敵な食生活のための豆知識として記事をごらんいただければと思います。

ゆずにゃん
ゆずにゃん

次は、ゆずにゃんも大好きな脂質の話だにゃん。
楽しみだにゃ~~

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