2019年はヨーグルトが売れていない!? その原因と考察。

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こんにちは。みゃぁさんです。

仕事柄、食品を触る機会が多いので食品業界の動向も一応ある程度はリサーチしていたりします。

その中で、国内ヨーグルトシェア最大手の明治乳業が2020年3月期第一四半期決算説明資料の中で、ヨーグルトの売上が不調との記載があります。

資料に目を通すと、ヨーグルトだけが不調であると記載されていました。
ヨーグルトだけが売れなくなってきているという現実に対して、個人的に思う原因と考察を記事にしたいと思います。

ヨーグルトに求められた価値は?

一般消費者がヨーグルトを購入する際のポイントは以下の3点が挙げられると私は考えています。

①朝食としてのヨーグルト

朝食としてヨーグルトを摂取されている方もいらっしゃるかと思います。
朝の短い時間でも手軽に食べやすく、乳製品ということで栄養価も高いので朝食にはもってこいの食品だと思います。

朝食として食べられる場合の競合する食品(カテゴリー)は、和食(米、味噌汁等)です。
ただし和食派、パン食派は一定数で常に分かれており、近年目立った和朝食ブームも起きていませんのでこれがヨーグルトの売上に影響するとは考えにくいです。

またパン食派の中でも一定の割合でヨーグルトを一緒に摂取している方もいらっしゃるかと思います。これも直近、ジャムブーム等は起きていませんのでヨーグルトの売上減少に繋がるファクターは少ないと考えられます。

以上のことを踏まえ、日本人の朝食メニューからヨーグルトが激減したとは考えにくく、朝食という切り口はヨーグルトの売上動向には影響が少ないと考えられます。

②デザートとしてのヨーグルト

朝食とは異なり、デザート(スイーツ?)としてヨーグルトを召し上がる方もいるかと思います。
(ちなみに私の実家もそういうスタイルの家庭でした)

デザートとして競合する食品は、カップ形状が似ているという点でプリンがありますが、最近プリンがバズっているわけでもないのでここは違うかと。
ゼリーも同様の理由で×

アイスは季節性で夏季は売上が伸びますが、これは毎年のことなので本質ではなくと思います。

ケーキ等の菓子類は昨今の健康志向もあり、大きく市場が伸びるとは考えにくく、ヨーグルトの陣地まで犯しにくるような脅威とは思えないです。

③乳酸菌を摂取できる食品としてのヨーグルト

実は、今回の記事のポイントになると考えているのがこの「乳酸菌」を巡る戦いではないかと考えております。

5年程前までは、「乳酸菌」と言えば「ヨーグルト」というのが常識でした。
もちろん今でも常識ではありますが、もはや同意と言っても過言ではないくらい食事の中で乳酸菌を手軽に摂取できる食品の代表がヨーグルトでした。

乳酸菌の摂取は、整腸作用等が期待できる点から女性の便秘解消。
あるいは、免疫力向上等の期待からインフルエンザが流行する冬季には乳幼児を中心にヨーグルトを積極的に摂取するよう指導する幼稚園や保育園もあるそうです。

これらのことから、ヨーグルトは食事でありながら他の食品では摂取しにくい乳酸菌を食事として摂取できる唯一無二的なポジションで日本人の食文化に浸透していたものと考えられます。
これはむしろヨーグルトが食品ではなく、医薬品や健康素材としての側面が強いということではないでしょうか。この専売特許的なポジションがヨーグルトの最大の強みだと考えます。

最近、ヨーグルトの専売特許を揺るがす商品が出てきた?

乳酸菌が手軽に摂取できる食品という専売特許で君臨してきたヨーグルトの地位が最近揺るがされているように感じます。
(特に今年以降…)

察しのつく方もいらっしゃるかと思いますが、今やスーパーに行けば「乳酸菌入り〇〇」という商品が結構発売されています。

以前は乳酸菌=ヨーグルトというくらいだったのが、チョコレートやパン、キャンディ等、非常に幅広く乳酸菌が食品に浸透してきました。

もちろん、生きた乳酸菌(生菌)として摂取するならヨーグルトがベストではありますが、一般消費者の目線で言うと生きているか死んでいるかはあまり問題ではないように感じます。
(乳酸菌が入っていればOKスタイル)

死菌でも生理活性はあるので健康訴求という点では効果がありますが、生菌で摂取すべき素材であることには間違いありません。

焼成や殺菌を経て乳酸菌が死んでしまっていても、乳酸菌が入っていればOKなので、ヨーグルト以外の食品に普及した。
結果的に、ヨーグルトから乳酸菌を摂取する必要がなくなってきたのでヨーグルトの売上低下を招いてしまったと考えます。

今後のヨーグルト市場予想は?

基本的には市場規模が小さくなっていくと思います。
現状、販売されているヨーグルトが効果の差による差別化戦略を取っています。

免疫力が上がるもの、体脂肪を燃やすもの、血糖値の上昇を抑えるもの…
これらの効果は菌のポテンシャルにも寄るところなので、飛躍した効果の向上は見込めないというのが私の考えです。
(いきなりインフルエンザを全滅させる乳酸菌なんて発見されるとは思えないので…)

さらに、ヨーグルト以外の食品市場が乳酸菌市場を侵略しにきているので更に厳しい市場環境になると予想します。

以上の点から、新たにヨーグルトに付加価値をつけるためにユニークな商品開発がされるのではないでしょうか。

例えば、めちゃくちゃ美味しくなったり、今までなかった味付けのヨーグルトが発売されたり…
オメガ3入りとか出そうですね(笑)

従来、乳酸菌の能力+味で勝負していたヨーグルトが乳酸菌以外の力を借りて勝負していくようになると考えると、今後3年でヨーグルトの当たり前も変わってくるかもしれません。

まとめ

  • 乳製品のうちヨーグルトの売上が落ち込んでいる
  • 理由は、ヨーグルト以外から乳酸菌が摂取できるようになったきたから
  • 今後は、乳酸菌以外を付与した新しいヨーグルトが発売されるのでは?

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