食品添加物は悪者なのか?という疑問に答えたいと思います。

STUDY

こんにちは、みゃぁです。
今回は、食品添加物に関する記事になります。

一般消費者の方からすればできるだけ食品添加物の入っていないものを選びたくなるかと思います。
その気持ち、実によくわかります。

みゃぁさん
みゃぁさん

ボクも食品業界で働き始めるまで添加物が少ない=身体に良いという考えでした。
確かにそういう考え方もできるのですが、場合によっては我々を守ってくれているという考え方もできるんです。

この記事で分かること
  • 食品添加物が生活に必要な理由
  • 食品添加物が必ずしも悪いと断言できない理由
  • 食品添加物がQOLを上げている理由

この記事の内容はYouTubeにて動画にまとめております。

腐らずに消費者の手元まで提供できる

食品添加物の最大の役割と言っても過言ではないと考えております。
適切な衛生状態で消費者に提供できているのは何者でもない食品添加物の恩恵です。

例えば、洋生菓子の流通を考えてみてください。

洋生菓子の製造から喫食までの流れ

0日目:工場にて製造→製品検査
1日目:トラック等で全国のスーパーやコンビニへ物流
2日目:店頭に商品陳列→購入、喫食

概ね、製造後から2日くらいかかってしまいます。

ところで大手メーカーではなく、町のケーキ屋さんで販売されているケーキって賞味期限が何日くらいか知っていますでしょうか?

残念ながら当日、長くても1日なのです。

ということは…
メーカーで製造されている洋生菓子を衛生上、安全に提供するために食品添加物が必要不可欠だということです。

もし(無駄な健康志向が高まって?)無添加設計で世の中の食品が流通した場合、ほとんど腐ってますねww

それくらい日本の物流環境に耐えるために添加物が必要だということです。

見た目を良くして食欲、購買意欲をそそる

綺麗なピンク色のハムとくすんだ色のハムを想像してみてください。

どっちがおいしそうでs……ですよね!?

ピンクの方が美味しそうに決まっているんです!

日本人って本当に面白くですね。

ピンクのハムは添加物が入っている=添加物は身体に悪い
という公式が出来上がっているのにみんなピンクのハムを買うんですよね。
なので大手畜肉メーカーも発色剤を抜くことはしません。
⇒抜くと売れないからww

他にも、お母さんが作るキャラ弁やインスタ映えするスイーツ…
彩がないと価値がありませんよね?

その彩は食品添加物(着色料や発色剤)が利用されています。
一部の発色剤は健康被害が謳われているものもありますが…

子供がバランスよく食品を食べるために彩をつけて興味を引くという役割があります。
キャラ弁にすることで子供の好き嫌いが克服できたという話も聞きます。

実際に、食品開発をしている立場で言わせてもらうと…
インスタ映えする商品づくりというニーズもあり、多少不味くても着色料でインスタ映えするようにするだけで売り上げが上がった商材なんかは全然あります(笑)

食べ物を安くする

長年、食品業界でビジネスをしていて本当に強く感じることがあります。

日本人は「値上げ」を異常に嫌う民族であるということです。

世界はインフレで物価が徐々に徐々に上がっています。
そのため、世の中の食品も少しずつ値段は上がります。

増税などでどんどん生活が苦しくなるという社会背景もあり、値上げはすぐにニュースになったりします。

さらに食費は家賃等と異なり、だれでも簡単に削れる生活費項目の一つです。

ということは…
日本人って食品に対して基本ケチるし値上げなんて絶対許さない!
例え、物価が上がっていようとも(笑)

という民族だと個人的に思っています。

そういう国民性から食品は可能な限り安く提供することが求められます。
そんな時に活躍するのが食品添加物(特に香料)なんです。

みなさんは、バニラエッセンスなんていうものご存知でしょうか?
マダガスカル産のバニラ~なんてよく聞くかもしれません。

バニラエッセンスは大変高価な食品原料です。
配合するだけで一気に原材料費が上がっちゃいます。

でも、バニラ香料を使用すればバニラエッセンスの20%くらいのコストでバニラ風味にすることができたりします。
パンやお菓子が最終的に同じようなバニラ味になるのであれば、一部の健康マニアを除き消費者心理として安い方を選びますし、消費者はこの安い食品が普通だと認識しています。

というわけで食品の安さを維持するために香料等の添加物が活躍しているのです。

老人のQOLを上げる

最後はこれまでの話とは少し変わります。
増粘剤という食べ物の硬さを変える添加物がありまして、それを例に説明したいと思います。

ご老人の方で嚥下能力の落ちた方が一定数いらっしゃいます。
嚥下とは、食べ物を飲み込む力のことです。

そのような方は基本的に流動食だったりするので食事が液体チックになりがちです。
でも、みなさん声を揃えて仰います。

「噛んで食べたいんや…!」

そういう時に介護食に少しだけ硬さをつけて、噛めるけど嚥下能力が低くても飲み込める
という絶妙な硬さ加減にすることができます。

これを実現しているのが増粘剤だったりします。

実際に咀嚼したり自力で飲み込む習慣が失われないため、QOLが上がったりして結果的に長生きされる方もいらっしゃいます。

そう言われると食品添加物も悪者だとは言い切れないですよねww

この記事のまとめ
  • 食品添加物は一概に悪いとは言えず、良い側面もある
  • 腐らず、安全に食品を提供できる
  • 彩を付けて食欲や購買意欲をそそる
  • 通常よりも安く食品を提供できる
  • 介護食等で活用され、QOLを上げたりしている

最後まで読んで頂いてありがとうございました。是非参考になさってください。

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